『バカップルとハイソと忘却』 天気:晴れ
今日は割と体調もよろしかったので、ちょっと栄えている街までドライブ。
急に眩暈がすることもあるので、安全運転で。
私が住んでいるところは田舎なので、電車などもなく、車しか移動手段がない。
街へ行く途中のうららかな道で、観光客が風景の写真をとってた。
『そこね~きれいだよね~
でも、こんな日の高い時間帯じゃなくて、早朝の霧がかかる時間帯が、幻想的で一番きれいなんだよ~』
って、心の中でアドバイス。
だって、いきなり話しかけたら、ただの変な人だし……
何より人見知りだし……
街についたら、ちょうどお昼どきだったので、商店街の喫茶店(カフェなんて、こじゃれた感じではない)でランチ。
壁伝いに長いソファーに、2人掛け用の小さなテーブルをはさんで木製のチェア、4セット。
向かいに、4人掛けのテーブルセットが5つ。
そこそこの規模の喫茶店で、なぜか4人掛けの方に案内された。
壁を背に着席したら斜め前に違和感を感じるたので、目を向ける。
そこには2人掛けテーブルがあった。
そして、カップルが座ってた。
並んで……
私、2人掛けテーブルってのは向かい合って座るもんだと思ってた。
なんでソファ側に2人並んで座ってんの。
隣の人窮屈そうじゃん。
「やだも~!私の食べないでよ~!」
って、いちゃいちゃしてんじゃねぇよ。
2人で一つのランチつまんでんじゃねぇよ。
貧乏なの?一杯のかけそば的なやつなの?
リア充爆発しろ。
ドライブは進み、ちょっと大きめのスーパーへ。
お昼はごはんがおいしく頂けなかったので、夜はおいしくと思って、買い出し。
パンコーナーで、ヒールの高いサンダルはいて膝下スカートをひらひらさせた、ハイソなお姉さんを見かけた。
田舎ではあまり見ない。観光客?
なんだろう。また違和感。
こっそりじっくりお姉さんを見て気づいた。
モデル立ちしてる。
パンを選ぶのに、モデル立ちしてる。
場所移動しても、またそこでモデル立ちしてパンを選んでる。
あっちでモデル立ち。こっちでモデル立ち。
パンコーナーぐるぐるモデル立ち。
モデル立ち、癖なの?
『わたくし、こんな田舎でも気は抜きませんの』って、アピール?
何アピール?
っていうか、まだパン決まらないのかよ。
いつからパンコーナーうろうろしてんだよ。
いい加減、私にもパン選ばせろよ。
そんなこんなで、やっとレジ。
そこで満面の笑みを浮かべた女の人がやってきて話しかけた。
「久しぶり~!元気~!? ……ちょっと、私!覚えてる?(笑)」
よほど微妙な顔をしてたのか、そんな質問をされた。
もちろん、覚えてるよ~
元気そうで何より~
私も満面の笑顔で手を振るけど、名前が出てこない。
顔は覚えてる。
昔の職場に一時務めてた。子供2人。
離婚の際、子供1人捨ててこの街に引っ越した女。
松ケンのファン。
そこは覚えてる。
でも、名前が……
「またね~!」
名前が出てこないまま、彼女は満面の笑みを浮かべたまま去っていった。
名前……なんだっけ……
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